2015年10月3日

マレーシアの朝を迎えた。ホテルのフロントは中年のマレーシア女性に代わっていた。昨日ホテルにデポジットを払い、リンギットがないので円を両替しないといけない。
その女性に、昨日デポジットを払ってリンギットがないので、両替する場所を聞いたところ、デポジットを貸してくれるとのことだった。そのやさしさに嬉しくなったが、両替に行くことにした。
カメラを持って付近を散歩しに出かけてみると、チャイナタウンの朝は車やバイクの通勤者らで活気に満ちていた。ホテル前の十字路を上ると雀の群れが地面で採餌している。
日本の雀と違うかもしれないと写真を撮ってみたが、頬には黒い斑点があることからも、日本のと同じようだ。(帰国後マレーシアの野鳥図鑑で調べたところ、学名はPasser montanusで日本と同一種であった。)
バックパックに撮影機材を入れて、FRIMに向かう事にした。FRIMへはセレンバン・ラインのケポン駅で降りてタクシーを乗り継いていかなければならない。最寄り駅のパサール・スニ駅の近くにセレンバン・ラインのクアラルンプール駅があり地図を頼りにそこまで歩いていくことにした。
空は降り立った昨日から霞んでいて、東南アジアの暑い日差しは影を潜めている。しかしとりまく空気は熱帯雨林気候の湿気を含んだ熱気が漂う。チャイナタウン周辺は近代的なクアラルンプールの中では、古び建物が多く、昔ながらのアジアンな雰囲気が漂っている。
そんな街中を歩いていると、中高年のアジア人男性が声をかけてくれた。駅まで案内してくれるとのことだ。自力で行けないこともないと思うが、せっかくの厚意なので案内してもらう事にした。
「マレーシアン・チャニーズではなく、チャイニーズ・マレーシアン」と言っていたので中国系マレーシア人とのことだ。インドネシアでの大規模な焼き畑により、クアラルンプールでも長期間スモッグが発生しており、大気汚染だと嘆いていた。
駅の券売窓口で切符を買い、ケポンにいく列車のホームまで教えてもらい、別れを告げた。なぜこんなに親切なのか不思議な思いに駆られるほどだった。


電車は近代的で快適だった。4駅目のケポンで降り立つと、付近はのどかな雰囲気の住宅地だった。何か時間がゆっくりと流れているようにさえ感じる。
タクシー乗り場に止まっていたタクシーに乗り込んだ。電車などと違って海外でのタクシーは、ボッタくりに会わないかという不安がありハードルが高い。なので運転手さんに「フリムまでいくらか。」と聞いたところ、「メーターみればわかる。」とそっけない態度で言われた。
無事にフリムのゲートで降りて、入園料とカメラの持ち込み料を支払って入園した。高木が林立する熱帯雨林の中の舗装道路を歩いて進み、途中左に折れてしばらく行くと沼地にたどり着いた。
沼には観察できるような大きな東屋があったが、付近には誰もいなかった。細い踏み後を進んでいくと、突然、ワニのような大きな爬虫類が現れてすぐに草陰に隠れた。
いきなり大型の動物に出くわし、驚きとともに期待が膨らんだ。流石はマレーシアだ。しばらく佇んでいると、対岸の方に背が水色のカワセミ類の野鳥が木の枝にとまっているのが見えた。
熱帯林をかき分けて行ってみることにした。地面は湿っており足元に直径25センチくらいの大きなリクガメを見つけた。(帰国後調べるとマレーハコガメだった。)
さらに進むと小さな船着き場ようなものがあったので、そこでカメラを構えることにした。前方に大きな倒木が沼から斜めに突き出ており、そこにマレーハコガメが3匹休んでいる。
そこへ先ほど見たワニのような爬虫類(帰国後にミズオオトカゲと判明)が近づいてきた。2匹のカメは押しのけられるように水へ飛び込み、ミズオオトカゲが倒木に居座った。



しばらくして熱帯林の沼は、何事もなかったように静寂をとりもどした。

しばらくするとミズオオトカゲは水に戻った。

船着き場でじっと待っていると、青黒い先割れした舌を出しながら、ゆっくりとミズオオトカゲが泳いでいった。

沼を後にして帰路についた。途中、T字路手前の東屋に座り、足元を整えてズボンをめくると、黒いナメクジ大の虫が何匹か付着している。ヒルに血を吸われていたのだった。
公園のゲートを出てタクシーを拾い、電車に乗り継いでホテルに帰った。チャイナタウンは夕方の喧騒が戻り、古い町並みの奥にそびえる近代的な高層ビルが霞んでいた。


Stauros Yonatan (スタウロス・ヨナタン) への返信 コメントをキャンセル