2022年2月10日 木曜 晴れ
(2022年1月6日鯔・海豹・大鷲・野良猫)の続き
かねてから今日は、久々の晴れの予報だったこともあり、LEAFで祝津への撮影に繰り出した。展望台に行くと前回同様、ニコンのカメラを三脚に構えたおじさんがあたりを見回していた。周りは観光客などが絶えない場所だ。
2回連続会うということは、しょっちゅう来ているのだろう。前回話しかけてもそっけない対応だったので、今回は近くによっても無言を貫いた。カメラは高画素ハイエンドモデルのD850で、レンズは500㎜程度だが何かはわからなかった。
体は細いのに、マウンテンジャケットと長靴でよく長時間待っていられるなあと思う。しかもそうそうシャッターチャンスがあるとは言えず、私は極厚のダウンでなければ無理だ。
展望台からはトド岩を見たが、トドは全くいなかった。漁業者に駆除されて逃げたのだろうか。水族館側の入り江を見たがアザラシもいない。
前回オオワシがとまっていた、道道の起点となるころに車で降りた。前来た時のようにサクラ猫たちは車に近寄ってこない。民宿潮騒の前に置いてある板の箱の上に佇んでいる。
オオワシが岩にとまったところを撮ろうと、日和山灯台のある丘の上にスノーシューで登った。登る途中でツグミが1羽、海上を見渡してもシノリガモが1羽いるのみだ。天気がいいので皆、沖合に出たのだろうか。
一旦LEAFに戻り電源スイッチを押すが、なんと「EVシステムが異常」との表示が出て、電気が付かない。私は携帯電話を使うと電磁波のせいか頭具合が悪くなるので、スマホの契約は通話ではなくメールやインターネットのみだ。
なのでフィアンセにライン通話してJAFを呼んでもらった。その間、汗ばんだアンダーシャツを着替えて昼食を取り、サクラ猫にも用意してきたキャットフードをあげていた。
午後1時ごろJAFが来て、12ボルトのバッテリーにジャンプスタートをしてもらう。しかし何度やっても復旧しない。日産の販売店に電話してもらったが解決しなかったので、レッカーして日産プリンス札幌小樽店に搬送してもらう事になった。
しかし今日中には来れるがいつになるかわからないとのこと。車窓からワシが来ないか見ながら、のんびり過ごすしかない。車外温度はマイナス2度で、用意していた使い捨てカイロを足先と背中に貼り、手も温めた。幸い長時間外で撮影するための極寒用ダウンも用意していたので凍えることはなかった。
せっかくだし待っている間、サクラ猫たちに用意してきたキャットフードをあげた。ただ前回同様、4匹のうち、写真奥の黒白の猫だけは他の猫に邪魔されてなかなか食べることができなかった。
しかし日は暮れ、徐々に寒さを覚えてきて、6時になろうというのに何の連絡もない。フィアンセにラインで再度JAFに電話してもらうよう頼んだ。すると、手配するのを忘れていたとのことで、これから向かうとのことだ。
落胆したがあと1時間で来れるとのことで安堵感もあった。ただ日産プリンス小樽店に車を搬入できるか確認してもらいたいとのことで、すでに営業は午後6時で終わっていることを伝えた。
そのためリーフはJAFの委託している余市の事業所に搬送することになったが、私はそこからどうやって帰宅すればいいのか聞いてもらったところ、自力で帰ってくださいとのこと。そしたらラインで私の代わりに通話していたフィアンセが「JAFのミスで遅れたんだから、帰宅まで責任もつのが筋だろう。」と主張した。
その後、7時ごろ連絡があって、検討した結果、JAFの方で帰宅まで責任を持つとの連絡があったが、これから出発するとのこと。決定までレッカーを出さないとは利用者の状況を全く無視している。
辺りは人けもなく、凍てつく夜が深まっていくばかりだ。石狩湾の対岸の灯が何やら寒々と煌めいている。すると路上には先ほど、食べ損ねた黒白の猫がこちらを見て佇んでいる。 残っていたフードを置くと、他の猫は来なかったので心置きなく食べて戻っていった。
上記の写真で箱の上に猫が乗っているが、その箱の中を見てみると、黒白の猫以外の3匹が寄り添って寒さを凌いでいるが、黒白の猫だけは孤立していた。春までこの寒さを乗り切れるのだろうか。
JAFが到着したのは7時40分で、そこからレッカー車に同乗し、途中に自宅があるのでそこでおろしてもらう事にした。しかし今度は、余市まで車を搬送するとなると、私はJAF会員なので、会員の無料レッカー距離15kmを越えるとのことで、運転手がJAFと電話で超過分が有料になるのかどうか話し合って、そこでまたしばらく出発できない。
結局、JAFに責任があるので超過分は免除するとのことで、無料で搬送となった。そんなこんなで結局、家に着いたのは9時ごろになっていた。依頼者が氷点下の寒さに置かれているというのに、失念していた上に、手続き上の事ばかりを優先して救助に向かわないという姿勢には、失望と憤怒を覚えざるをえない。
もともとLEAF購入時に無料で会員となっていたが、もちろん今後更新はしないし、一生JAF会員になる必要性はない。むしろ会員だったばかりに搬送代金が無料になるかどうか検討されることで救助が遅れた。JAFは必要な時に要請すれば済む。
後日、保護猫団体ツキネコのFacebookで祝津の野良猫が衰弱しているという投稿があった。もしかしたら孤立していた黒白猫かもしれない。
人間が安穏としている一方で、猫の悲劇はどこかで起きている。政権の無策、猫を無責任に捨てる人間の罪は重い。
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