クアラルンプール国際空港(KLIA)にはKLIA1とKLIA2があり、私が乗るエアアジアなどのLCCは終着駅のKLIA2で降りる。空港を重いバックパックを背負って歩いていると、とても喉が渇いたので、フルーツジュースのお店でマンゴージュースを頼んだ。
テーブル席で待っていたが、客はほとんどいないにも関わらず、10分以上はたっていると思うのだが中々できない。やっとできたので飲んでみると、これが実にうまい。
搾りたての生マンゴージュースで、これまで飲んだジュースでこんなおいしいジュースは記憶にないくらいだ。容器を返すときに店員の若い男性に「Taste good !(おいしい)」と言ったら、笑顔で応えてくれた。
搭乗までには余裕があったので、空港内のレストランで夕食をとり、ドライフルーツなどのおみやげを買い荷物を預けて搭乗口に向かった。かなり歩いて手荷物検査場に着いた。デイパックを検査機に通すと赤い多機能ナイフとペットボトル飲料は持ち込めないと言われた。
ナイフは没収されたが、ペットボトル飲料は現地のジュースでもあったので引き返して飲み干した。ナイフは高校時代にバイクでツーリングキャンプに行く際に買ったもので、30年も前の物で大切にしていなかったのだが、いざ失うとなるとなんだか申し訳ないようなことをした気持ちになった。
預け荷物に入れるべきだたったがうっかりしていた。しかし新千歳空港を発つ便ではテロ対策のためペットボトル持ち込み禁止だったのに、隣の席の若い日本人の男はペットボトルを持ち込んでいたから、日本のセキュリティはどうなってんだろうかという疑念がわく。
機内は往路と同様に空いており、ブランケットをレンタルして中央の横並びのシートに横になって寝ることができた。日付は10月7日に変わり、朝に新千歳空港に着陸した。これまで英語を使うのが精いっぱいで、中々マレー語を覚えることができなかったが、飛行機を出る際、マレーシア男性のキャビンアテンダントに「スラマット・バギ(おはよう)」と挨拶したら、笑って肩をたたかれた。別れ際におはようと言うのもおかしい気はしたのだが、他に言葉が思い浮かばなかった。
空港から快速エアポートで小樽駅に着いた。駅構内のカフェ可否茶館で朝食をとった。無事に帰国できた安心感と達成感からか、何やら充実した空気が流れた。
家に帰ると雄猫のサムエルがいつも通り元気であった。同じアパートの別部屋にいる母に鍵を預けてキャットフードや水、トイレ掃除をしてもらっていた。
後日、モンベルのオレンジ色のソフトシェル(ウインドブレーカー)が見当たらない事に気づいた。アミーゴホテルでシャワーを借りたときに忘れたのだろう。もったいないことをした。
私はとても疲れやすく、常に頭が重い症状に悩まされているので、今回のフィールドでの撮影も1日おきに2日行ければいいと思っていた。しかしこの旅のにおいて、一度も体調が悪いと感じることはなかった。
それは海外旅行という独特の緊張感や高揚感が影響しているのかもしれない。しかしマレーシアに行くとうつ病が治るという事も言われており、一人での外食など何をするにしても人目を気にする必要がなく、個々人が自由にふるまう空気あってとても居心地が良かった。
日本ではなんとなくみんなと同じような格好で同じようなふるまい。同じような価値観と言動をしないと恥ずかしいという空気がはびこっていて、生きにくい社会と感じるだけに・・・
事実、民主主義と言いながら戦後80年近くも自民党が支持され続けている。民主主義というよりは同調主義だろう。しかしそれもついに行き詰まりを見せてはいる。
この旅では掲載している以外にも多数の写真を撮っていたのだが、外付けハードディスクを自宅で落としてしまい、それまで撮りためていたデータすべてを失ってしまった。復旧の依頼を何社かに依頼したが不可能であった。気に入った写真を現像して残しておいたデータで、かろうじてPCに残っていたものを掲載できた。
旅費は From door to door (自宅を出て自宅に帰るまで)でお土産など、使ったお金をすべて含めても7万円かからなかった。4泊6日の旅としは格安と言っていいだろう。
写真は消失したものの、確認した野鳥は以下の通り。
Spotted Dove (カノコバト)
Zebra Dove(チョウショウバト)
House Crow(イエガラス)
Eurasian Tree Sparrow(スズメ)
Common Flameback (ズアカミユビゲラ)
Javan Myna(ジャワハッカ)
Common Myna(インドハッカ)
Black-and-yellow Broadbill(クギワヒロハシ)
Stripe-throated Bulbul(キビタイヒヨドリ)
Oriental Magpie-robin(シキチョウ)
Asian Glossy Starling(ミドリカラスモドキ)
Tiger Shrike(チゴモズ)
7年前の旅の記憶も今では曖昧になり、頭に残っているデータもかなり消失しており、記憶を辿るのが大変だった。こちらも復旧は不可能なので・・・それでも可能な限り忠実に再現した。
僕の人生にとってかけがえのない旅となったこの思い出を、記録にとどめておきたいという思いから、今さらながら書き留めた。
参考文献:BIRDS of PENINSULAR MALAYSIA AND SINGAPORE (マレー半島とシンガポールの野鳥) G.W.H.DAVISON AND CHEW YEN FOOK
参考ウェブサイト:ウィキペディア
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